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五稜化薬株式会社への投資実行について

東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:吉村洋)を無限責任組合員とするTHVP-1号投資事業有限責任組合は、2019年11月29日に五稜化薬株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:丸山健一)へ100百万円の投資を実行いたしました。本出資は、民間ベンチャーキャピタル等と共同での実施となります。

同社は、北海道大学の研究成果を活用して独自の蛍光色素群をラインナップに揃える試薬開発・販売ベンチャーとして歩みをはじめ、その後、東京大学大学院薬学系研究科の浦野泰照教授の研究成果を活用し、機能性蛍光プローブ(注)の製造・販売、受託合成および機能性蛍光プローブによる「がんの外科手術向けナビゲーションドラッグ」の事業へと展開・拡大して成長してきた大学発ベンチャー企業です。

同社は上述のように「がん治療をナビゲートできる特異な蛍光試薬」をコア技術として、がんを”見える化”して治療を手助けする薬の開発を目指しています。同社の試薬はがん細胞膜上の酵素に反応して蛍光を発することにより、1分程度の短時間で、高輝度に、がん細胞のみを選択的に光らせることが可能であり、これを乳がんではがん切除後の細胞に噴霧することにより、食道がんでは術中に患者体内に噴霧することにより、がんを光らせて診断、治療を効率よくナビゲートします。

同社は現在、複数のパイプラインを有していますが、これらがん領域に次ぐ重要なパイプラインとして、東北大学大学院医学系研究科眼科学分野の中澤徹教授の技術を活用した、カルパイン阻害活性蛍光プローブの事業化による早期緑内障診断薬の開発を現在行っております。本研究開発はAMEDの産学連携医療イノベーション創出プログラムにも採択され、国の支援を受けながら益々開発が加速されている状況です。

THVP-1号ファンドは、東北大学中澤教授の研究成果の事業化(緑内障ナビゲーションドラッグ)を加速させ将来的な緑内障治療への貢献をはかるべく、同社への出資とあわせて支援を行ってまいります。

(注)蛍光プローブ:最初は無色透明であるが、ある特定の標的分子と反応することでその構造が変化して、強い蛍光を発したり、蛍光の色調が変化したりする機能性分子の総称。

以上