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株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズへの投資実行について

東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:樋口 哲郎、以下「THVP」)を無限責任組合員とするTHVP-2号投資事業有限責任組合は、株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ(本社:東京都小金井市、代表取締役社長:小林雅之、以下「オンチップ社」)に対して投資を実行いたしました。

オンチップ社は生きた微生物/細胞の革新的なスクリーニング(選別)技術を保有するスタートアップです。
近年の遺伝子工学技術や合成生物学の進展と、SDGsやグリーン・トランスフォーメーション(GX)などの環境意識の高まりにより、従来の化石資源を原料とした製造プロセスを微生物に置き換える、いわゆる「バイオものづくり」が注目されております※1

オンチップ社は、油中水滴を微小な培養・反応区画として用い、生きた微生物/細胞をスクリーニングすることで、大量のサンプルを高速・高精度で解析する技術※2を保有しており、それにより見出された有用微生物・有用遺伝子がSDGsの実現にあたって、社会課題の解決に貢献すると期待されております。

オンチップ社は、本技術を広く社会に利用していただくため、大学を含めた研究機関との協働を重視しており、新潟含む東北圏域内の東北大学、長岡技術科学大学とも共創関係にあります。
その一例として東北大学大学院農学研究科の阿部敬悦教授とは、酵素生産などで産業用途に広く活用されている糸状菌のスクリーニングに関する共同研究を行っており、この研究を通じて同社の技術の使用用途を大きく拡大させることが期待されております。
また、オンチップ社はより一層の事業拡大を目指して、自社開発製品のグローバルでの市場開拓を目指しております。

今般THVPは、オンチップ社の本格的な海外展開を目的とする本資金調達に参画いたしました。

THVPは、今後も国立大学発の革新的技術の社会実装に向けて、大学発スタートアップに対する積極的な支援を進めてまいります。

※1. 経済産業省「バイオものづくりの実現」:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/014_05_00.pdf
※2. On-chip Droplet Selector Water in Oil Droplet:(油中水滴)を微小な培養・反応区画として用い、この中に微生物を封入、その油中水滴の散乱光・蛍光を解析し、目的の油中水滴を分離することで、ウェルプレートにシングル分注できる装置。本装置で、10の6乗個の細胞(微生物)群から、有用微生物の探索、育種・細胞代謝物のスクリーニングが可能となる。

【お問い合わせ先】

東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社
〒980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
マテリアル・イノベーション・センター405号室
TEL:022-224-5861 E-mail:info@thvp.co.jp