東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:吉村洋)を無限責任組合員とするTHVP-1号投資事業有限責任組合は、平成30年11月29日にPDエアロスペース株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:緒川 修治)へ投資を実行いたしました。
同社はジェット/ロケット燃焼モード切替エンジン(以下、同エンジン)開発及びサブオービタル飛行(※)用宇宙機開発を行う会社です。コア技術である同エンジンは、同社代表取締役社長緒川修治氏が東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻在籍時の研究(スクラムジェットエンジンにおける擬似衝撃波)と指導教官であった升谷教授の研究(極超音速エンジン)が着想の基となり実現しました。
同エンジンは、空気がある領域(高度15km程度まで)では吸い込んだ空気と燃料で推進力を得るジェット燃焼モード、空気が薄い領域(高度15km超)では酸化剤と燃料で推進力を得るロケット燃焼モードを一つのエンジンで可能にすることが最大の特徴であり、地上と宇宙空間を繰り返し飛行する方法として、従来のジェット機とロケット機を組み合わせた飛行システムに比べ高効率に宇宙空間へ到達することが可能となります。
同社は2019年内に無人機による高度100km到達及び帰還を開発目標に、エンジン/機体の開発を進めており、東北大学大学院工学研究科や流体科学研究所との共同研究を進めるとともに、宮城県角田市に位置するJAXA角田宇宙センターにおいてエンジン試験・燃焼実験を行う等、東北大学やJAXAとの連携を強化し、開発を推し進めていく方針です。
同社が開発したエンジン及び宇宙機の利用により、高効率な宇宙輸送の実現を目指します。
※地上から弾丸が弧を描いて飛ぶように100km超の高度に達し、再び地上に帰還する飛行方法。