東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:佐藤耕司、以下「THVP」)を無限責任組合員とするTHVP-3号投資事業有限責任組合は、DiveRadGel株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 中井 貴士、以下「DiveRadGel」)に対し、投資を実行しました。今回の投資においては、THVPはコリード投資家としてANRIと協調し実行しました。
DiveRadGelはリンパ節/樹状細胞※1標的型DDS※2を使った治療用癌ワクチンによって、固形癌の克服を目指す創薬系バイオベンチャーです。癌は世界において生涯4人に1人以上が罹患する疾患、且つ上位の死因であり、新規治療法に対する強いアンメットニーズが引続き存在しています。癌ワクチンは体内に備わる腫瘍免疫※3を誘導・成立させ、癌の発症や進展の長期予防が期待されるアプローチですが、治療用癌ワクチンの開発にはこれまで多くの失敗事例があります。その原因として主に3点「対象患者の腫瘍量が多く体内の腫瘍免疫機構では対処しきれなかったこと、正常細胞も有する共通抗原を用いており強い腫瘍免疫を誘導できなかったこと、腫瘍免疫の抑制状態を解除する免疫チェックポイント抗体※4が実用化されていなかったこと」が挙げられています。
このような過去の失敗要因を踏まえ、DiveRadGel では腫瘍切除後の患者の再発予防を対象とし、癌細胞の遺伝子変異によって生じるネオ抗原※5の利用を計画しています。加えて、DiveRadGel のDDSは腫瘍免疫の中心であるリンパ節並びに樹状細胞に対して抗原を優先的に送達できるため、より効果的な腫瘍免疫を誘導できると期待されます。実際にこれまでの動物モデルにおける検証では、競合となるmRNAやペプチドワクチンに対する優位な薬効、T細胞製品との併用による難治性癌の消失作用、そして長期的な癌再発予防効果を実証できており、ヒトにおいても高い有効性が期待されます。
本DDSに搭載するネオ抗原に関しては、2025年11月より、従来技術では発見困難な癌抗原探索に強みを有する新潟大学 医歯保健学研究科 金関 貴幸教授と共同研究を開始しており、具体的な抗原候補の絞り込みが進んでいます。今回の調達資金は、非臨床POC検証、外部パートナー候補とのフィジビリティ検証に充当されます。
THVPはDiveRadGel が人類の癌克服を担うベンチャーとして発展していくことを期待するとともに、今後も国立大学発の革新的技術の社会実装に向けて、大学研究成果活用ベンチャーに対する積極的な支援を進めてまいります。
DiveRadGel株式会社 https://diveradgel.co.jp/
※1.樹状細胞: 体内に侵入した細菌やウイルス等の異物(抗原)を捕らえ、その目印をリンパ球に伝える免疫の司令塔
※2.DDS(DrugDeliverySystem):薬を体内の必要な場所へ、必要な量だけ届ける技術
※3.腫瘍免疫: 癌細胞を異物として認識し、攻撃・排除しようとする生体防御システム
※4.免疫チェックポイント抗体: 癌細胞が免疫細胞にかけたブレーキを解除し、本来の免疫力で癌を攻撃させる治療薬
※5.ネオ抗原: 癌細胞の遺伝子変異によって新たに生じる癌特有の目印(抗原)
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