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スピンセンシングファクトリー株式会社への投資実行について

東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:吉村洋)を無限責任組合員とするTHVP-1号投資事業有限責任組合は、2018年10月25日にスピンセンシングファクトリー株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長 熊谷静似)へ150百万円の投資を実行いたしました。

同社は、東北大学大学院工学研究科 安藤康夫教授と医学系研究科 中里信和教授の医工連携の成果である「トンネル磁気抵抗素子磁気センサ(TMRセンサ)」の社会実装を目的として、2018年9月に設立された東北大学発ベンチャー企業です。

生体から発せられる非常に微弱な生体磁気信号を計測することで様々な疾患の予兆検知が可能となります。しかし、生体磁気信号計測を行うためには、センサの感度向上と外部ノイズの低減という大きな技術課題があり、これまでは外部磁気を遮断した特殊な環境下にて高額な計測装置を用いなければ、生体磁気信号を計測することができませんでした。

TMRセンサは、東北大学において長年培われてきたスピントロニクス分野の研究成果に基づき、高感度と外部ノイズの低減を実現し、通常環境下で生体磁気を計測可能な革新的なセンサであり、計測医療分野にイノベーションをもたらすことが期待できます。2017年には、安藤教授、中里教授らのグループは、TMRセンサによって「心磁のリアルタイム計測」、「室温環境下におけるα波(脳波)の計測」に世界で初めて成功するなど、センサの実用化に向けた技術を確立してきました。また、小型、軽量で高い量産性を兼ね備えており、今後様々な産業分野における磁気計測への応用展開も計画されています。

同社は、東北大学との強固な連携のもと、医療・ヘルスケア、産業分野などの多様な磁気計測用途に最適化されたセンサ素子の設計・開発・供給機能を担い、TMRセンサの普及を加速させ、東北大学発の革新的なセンサを世界に向けて発信してまいります。